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 世界では1950年に9,400万haあった灌漑面積が、わずか50年後の2000年には2億7,600万haと約3倍に増加しました。これは、第二次大戦後、食料生産の増大と安定化に向けられた人類の努力の成果であり、戦後の急速な人口増加に対する食糧増産の一翼を担いました。しかし現在、それらの灌漑施設の管理、特に発展途上国におけるそれが問題になっています。1950年時点で存在した灌漑施設の多くは、それぞれの地域における伝統的な仕方で、それなりの合理性をもって管理されてきました。問題なのは、主として戦後に開発された、アジア、アフリカ、中南米の近代的灌漑プロジェクトの水路であります。

 これらの灌漑施設は、政府によって発案、建設され、政府によって管理されてきたが、現在多くの専門家が、その管理を農民に移管するべきだと考えています。そのような農民自身が参加する水管理は参加型灌漑管理(Participatory Irrigation Management、PIM)と呼ばれ、多くの国と機関がその実現に向けたさまざまな取り組みをおこなっていますが、その受け皿として農民水管理組織の設立と持続的な運営は極めて困難な状況です。

 

 

 

 農民参加型水管理の原理と実現方策、佐藤政良ら、農業農村工学会誌、75(7) 615-620 (2007)より(改)

 

 

 

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