2018.09.11 09:20
1.授業概要とねらい
農業用水と都市用水の利用、水資源の観点から見た河川の特性、水利施設の計画と管理、水利権および水管理制度などを対象とし、水資源の需要と供給、水資源利用のあり方について講述する。授業は、河川を中心に変動性を持った水資源を評価・利用する手法、最大利水者である農業部門(水田灌漑、畑地灌漑)の水利用計画および水利組織による用水管理、水利施設の設計、複数の利用者間の水利調整・渇水調整、環境と水利用との調和の基礎について講義し、灌漑計画を作成するための用水量に関する基礎知識、水利施設を設計する際の基本的な考え方、変動する河川水資源を評価する視点、国内外の灌漑システムの基礎知識を学ぶ。
2.望ましい水準
農業水利の基礎となる水田・畑地灌漑の用水量の構成要素、計画用水量の算定方法、排水計画の考え方を習得する。また国内外の農業水利システムと自然環境の関係について理解を深め、農業水利が環境に与える影響を緩和し環境と共存・共生する農業水利のあり方を提言できる能力を身につける。
3.授業計画
① ガイダンス,水資源とは,地球の水循環,流れの基礎
② 水資源利用の現状と課題:世界と日本の水資源,農業用水,工業用水,都市用水
③ 水田灌漑:期別用水量,減水深,反復利用,計画用水量
④ 畑地灌漑:水田灌漑との違い,灌漑方法,計画用水量
⑤ 水利施設(1):貯水施設(ダム),取水施設(頭首工,ポンプ)
⑥ 水利施設(2):送水施設(用水路),分水施設,調整池
⑦ 農業用水の管理と水利組織:水利施設の建設と管理,水利組織の変遷,土地改良区
⑧ 海外の灌漑システム:開発途上国の灌漑システム,世界銀行による参加型灌漑管理(PIM)
⑨ 河川水利の開発:河川水資源の特徴,河川灌漑の特徴,水利開発
⑩ 河川水利の調整:水利慣行,水利権,水利転用,渇水調整,番水,国際河川問題
⑪ 農地排水(治水):内水位・外水位,自然排水・機械排水,排水計画
⑫ 環境保全と水資源:地域用水,冬水,環境用水,維持流量
⑬ 水資源に関する環境問題:水環境調査,水質(懸濁物質,濁度,電気伝導度,pH)
⑭ 福島の農業用水の現状と課題:農業用水中の放射性物質と営農再開,震災復興の課題
⑮ まとめ
定期試験またはレポート
4.参考図書
① 農業土木学会:農業土木ハンドブック(改訂7版)
② 田中丸治哉ほか:地域環境水文学,朝倉書店
③ 渡邉紹裕ほか:地域環境水利学,朝倉書店
番号 | タイトル | 投稿者 | 日付 | 閲覧数 |
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